46.ルール説明 --------------------



「ノ、ノリさんをなんで殺したんだ!!!」

岩隈は思わず勢いに任せ中村の遺体に近づこうとしたその時、

パンッ

と風船の割れるような音がして何か速い物体が岩隈の頬を掠めうすらと血の色に染めた。
岩隈は急な出来事に思わず動けなくなる。
恐る恐る正面を向くと周りを取り囲んでいた男の一人の銃から煙が立っていた。
その光景を見た選手達は悲鳴の混じったような声を出す。

「勝手な行動は許さない、これからルールの説明を始める。」

選手達の声を遮り星野の強い口調が船内に響き渡った。
その声と同時に先程のスクリーンにどこかの島の様子が浮かび上がる。
人の気配が一切ない無人島のようだ。

「今、この船はこの島に向かっている。この島でお前達に殺し合いをやってもらうことになる。
ルールは最後の一人になるまで殺し合いを続けるだけだ、至って簡単だろ?
ただし、6時間ごとに禁止エリアを設けてあり、そこに入ると首輪が爆発する、
そして24時間以内に誰も死ぬことがなかったらお前達全員の首輪が爆発するからな。どちらもちゃんと頭に入れておけ。
武器や食料は先程配ったカバンにすべて入っている。島に到着してからあけるように。
尚、着ているタキシードに何か不振な物が入ってる可能性があるかもしれないだろう、
出発する前に各自五輪の時のユニホームに着替えてもらう。
……説明は以上だ。理解したら今すぐ、そこに用意されているユニホームに着替えろ。」

星野の長い説明にただ唖然として選手達は聞いていた。
もう誰一人、口を開こうとするものはいない。


これは現実なんだ。


逃げることはもうできないんだ。


いつのまにか船はスクリーンに映し出された島に停泊している。
いよいよ、恐怖のゲームが始まりを告げたのだった。




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