36.ニアミス --------------------



 一人で考え込んでてもしょうがない。
1番ドラゴンズ福留孝介はそう思いせっかくだから船内を探検してみようと思った。
確かにいくら散々な結果に終わったとはいえ一応自分は、選ばれてこの船に乗船する
事が出来たのだから・・・。
「♪あるある探検隊〜」と口ずさんでいた。
その時だ孝介は、VIPルームらしき所を見つけた。
「こういう所に海外から来た来賓客とかが泊まるんあろうなぁ。」
と思っていた。
その時だそのVIPルームらしき所から何やら人の話し声が聞こえた。
しかし何やら楽しいパーティーらしい感じにしては重苦しさすらドア越しにいる
孝介にも伝わってきた。
気のせいかその中に何やら聞き覚えのある声があった。

その聞き覚えがある声とは、そうあの男
現在阪神のGMをやっている星野仙一であった。

「ま、まさかこの船に星野さんも一緒に乗船してらっしゃるんだろうか?」
その時だ。
 いや、きっと気のせいだ第一星野さんは今ハワイかどっかにいるはずだ。
あの方だってお忙しいのにわざわざこのパーティーに来るわけが無い。
孝介は、そう言い聞かせた。
 しかしドア越しに聞きなれた男が
「少し退席させていただきます。」
と言った。
孝介は、最悪の事態を考え念のため物陰に隠れた。
 そうドアから出てきたのは、このゲームで指揮を採ることになっている
星野仙一だった―

 「や、やばい」
孝介は物陰に隠れた。
しかし孝介は何かの時の為に孝介は携帯電話の写メールで撮った。
「パシャ」
「大丈夫かなぁ?今の聞こえていないかな?確かにドラゴンズで監督と
して指揮を採っていた時は、よく殴られたけど離れてみてまた殴られる
となると恐い物があるなぁ。この事は、みんなに伝えた方がいいよな。」
そう言いながら孝介は写メールをみた。
しかし後ろ姿しか写っていなかった。

 その頃船上では、人数がそろってきたせいか大分にぎわっていた。
上原浩治や黒田博樹達がたのしそうに談笑しているのが孝介の目に
止まった。
そこには、石井の姿もあった。
上原が「宮本さん来ないですね。」
と言った。
その時石井が言った。
「宮本さんって場外乱闘SPでかなりエロい事を言って奥さんから
叱られたらしいですよ。」
上原を始めとし、そこにいたメンバー、黒田、石井、和田が
いっせいに笑い出した。
 その時だ。
「孝介、どないしたん?そんなん慌てて。」
汗だくになって孝介が走ってきた。
「おい!この船に星野さんが一緒に乗船してるぞ。」
そういい孝介は写メールで採った写真を見せた。
しかし上原を始めとするそこにいたメンバーが一世に笑い出した。
「なぁ孝介、お前頭でもぶつけたんちゃうかぁ?星野さんなんか
来るはずないやんか?こんなん人違いやろう。」
その後に和田毅も
「福留さん今頃星野さんはハワイに行ってゴルフでもしてると思いますよ。」
更に黒田も
「だいたいこれ後姿やしなぁ・・・。」
「おい信じてくれよ。俺は本当に星野さんを見たんだってば。」

 どうして俺を信じてくれないんだ?
こいつらに言っても話しにならない。
藤本とかなら何か知っているかもしれない。
 孝介は、藤本と安藤を探し回った。

 「やっとみつけた。」
「どないしたん?福留」と藤本が聞いた。
更に安藤が「汗だくになって運動でもしてたんですか?」
「お前達、この船に星野さんが一緒に乗船してるけど何か聞いていないか?」
「さぁ」と藤本が言った。
「いくら同じチームとはいえ何も聞いてませんよ。」
と安藤が言った。
更に孝介は、上原たち同様に藤本と安藤にも写メールで撮った
写真を見せた。
 しかし安藤こう言った。
「確かに後姿はしょっちゅう見てたから似てるっていっちゃぁ似てるけど
・・・」
二人は顔を見合わせた。
 「もういいよ。」
そういって孝介はその場を去った。
 『どうしてなんだ?どうして俺の言う事を誰も信じてくれないんだ?
俺はそんなに皆から信用されてないのか?まだ全員に聞いたわけでは
ないけどきっと答えは、気のせいだとか疲れてるだけとか言われるんだろう』




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