15.愛娘とのひと時 --------------------



「愛娘とのひと時」
「ただいまー。」
宮本慎也が帰宅した。
「パパお帰りー!」長女の陽奈が走ってきた。
「あなたお帰りなさい。高橋さんと夕飯食べていたの?」
と妻の知美が言った。
「いや、あいつとはちょっとその辺で軽い食事しただけやから」
「そう。」と知美が言った。
「パパ一緒にご飯食べよう。」
と陽奈が言った。
「一緒に食べようね。」
宮本は食卓を囲んで夕飯を食べていた。
妻の知美が聞いてきた。
「アテネ五輪会あなた参加するの?」
と聞かれ宮本は
「参加せなあかんやろ。一応俺主将勤めてた手前あるし。」
「パパまた遠くに行っちゃうの?」
と長女の陽奈が今にも泣きそうな様子で言った。
「違うよ。パパは、パーティーに行ってくるだけだよ。」
次女の菜桜が悲しそうなつぶらな瞳で宮本を見ていた―。

夕食を終えた宮本は、やはりもう一枚の同封されていた用紙の文が気になっていた。
「誰か俺の身近な奴でオリンピック出た奴いてるかなぁ?」
「せや、古田さんがいてたわ。」
そう思い宮本はさっそく古田の自宅に電話をした。
古田は、ソウル五輪の後ヤクルトに入ってきた名捕手だ。

「もしもし宮本ですけど古田さんのお宅ですか?」
と宮本が聞いた。
電話の先は古田だった。
「おう。せやけどどないしたん?宮本。」
「お忙しい所すいません。ちょっとお伺いしたい事があるんですが。」
「どないしたん?」と古田が言った。
「古田さんがソウル五輪の後ソウル五輪会ってありました?
あとその五輪会って野球選手以外に誰かきましたか?」
「う〜ん、大分前の話やからうろ覚えやけど・・・ただ野球選手以外にも
来てたで。それがどないしたん?」
「今日自宅にアテネ五輪会の手紙が来てて今回の代表に選ばれた人は、強制
参加とかって書いてたんですよ。」
「それは、変やな。まぁ俺の時は野茂とかもアマで行ったからなぁ、その違い
とちゃう?」
「そうですよね。ありがとうございました。失礼します。」
といい宮本は、電話を切った。

その横で次女の菜桜が悲しそうな瞳で見ていた。




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