13.戸惑い --------------------



試合が終わり55番西武の和田一浩が帰宅した。
ポストをあけ自分宛の郵便物を確認した。
「ん?何だこの手紙は?誰からだろう?」
やはり宛名は書いていなかった。
きっと書き忘れたのだろうと思い特に気に留めなかった。

「はぁー。疲れた。」
和田一浩はもうすぐ一時の父親になる。
和田自身も元気な子供が生まれてきてくれる事を願っていた。
後は、チームが優勝してくれる事と・・・。

明日も試合があるから風呂へ入って寝ようとした時
あの手紙が気になった。
「そういえばさっきの封筒まだ開けてなかった。一体誰からだろう?」
と思いながら封を開けた。

「アテネ五輪会のお知らせ?何でこんな手紙がいまさら?」
和田にとってはできたら妻の出産に試合が無い限り立ち会いたい
そう思っていた矢先の事だった。
「妻の予定日がもうすぐだっていうのに。ったく冗談じゃないよ。」
と言いながらもう一枚の用紙に気づき取り出した。
「え?何?五輪野球メンバーは、強制参加で欠席だと罰則?
どういうことだ?そもそも罰則って何だ?契約更改に響くのかなぁ?」
和田に取ってはチームが日本一になって新しく生まれてくる子供と一緒に
オフはすごすと決めていたところだった。

「やっぱ参加しないといろいろな面で響くんだろうな、今年はストとかあったしな。」

和田は、どうしようかと戸惑っていた。




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