06.ささやかな打ち上げ --------------------



その頃6番宮本慎也と24番高橋由伸は、
とある場所でささやかな打ち上げを兼ねた食事をしていた。
由伸が「少し遅くなりましたがお疲れ様でした。」と言った。
宮本も「お疲れ様でした。」と言いお互いグラスをぶつけ合わせた。
二人は束の間の打ち上げも兼ねた食事を楽しんでいた。
しかし宮本は例の招待状の事が脳裏に焼きついて離れなかった。
「なぁ、由伸アテネ五輪会の事やけど」と宮本から話を切り出した。
食事をしていた由伸が「あぁこれですね。」
と言い招待状をバッグから取り出した。
「お前この会参加するか?」と宮本が聞いた。
すると由伸は、「僕はなぁ結果はともあれ仮に長嶋さんが来られた事を
想定すると立場上でないわけにはいきませんからねぇ。」
と言った。
「そうやなぁ・・・。」と宮本は俯いた。
宮本は、やはりアテネの事が脳裏に焼きつく。
あれだけ金メダルを宣言しておきながら不甲斐ない結果に終わって
どれだけ叩かれた事か―。
少し忘れかけてた事が再び思い起こされそうで葛藤していた。

その時由伸が「何だこれ?」と封筒の中からもう一枚
入っていた用紙を取り出した。
その用紙には、次の文が書いてあった。
[このアテネ五輪会は今大会の野球日本代表に選ばれた選手全員が
該当となり強制参加になります。
尚、欠席者には重大な罰則が科せられます。]
と・・・。




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