04.重圧からの解放 --------------------



その頃アテネでキャプテンを務めていた6番宮本慎也は自宅で愛娘と
一緒に遊んでいた。
アテネ五輪代表に選ばれた時は、子供とも遊ぶ暇がなかった。
宮本が主将に抜擢された時は睡眠剤を飲まないと眠れないほどだった。
しかし宮本の頭からは不甲斐ない結果に終わってしまった事がいまだに頭を過る。

その時だ「あなた、あなた宛に郵便が届いてるわよ。」と妻の知美が言った。
「ありがとう。誰からやろ?」と言いながら宮本は封を開けた。
「2004年五輪会のご案内?何やこれ?」と宮本は言った。
その時電話が鳴った。
24番高橋由伸からだった。
「宮本さんこんにちは。また飯食いに行きません?」
と高橋由伸が言った。
宮本はチームが違うとはいえ高橋由伸とは、普段から仲がいい。
「なぁ由伸ちょっと聞きたい事があんねんけど」
と宮本が言った。
電話の向こうの高橋が「どうしたんですか?」と言った。
「由伸のとこにも2004年五輪会のご案内ゆう手紙きたか?」
と宮本は尋ねた。
「はい。届きましたよ、何なんでしょうねあの手紙?きっと打ち上げか何かの
案内なんじゃないんですか?長嶋監督もこられるとか?」
と由伸が答えた。

しかしこの二人にとってこの通知がこれから始まろうとしている地獄への招待状だという事は
この時の二人には知る由もなかった・・・。




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